障害のある方のための自動車教習所特集
「免許を取ってクルマに乗ってみたいけど無理だろうな〜」
「何時間かかるかわからないし、すごく難しそう…」
そんなふうに思って免許取得をあきらめている障害者の方はいませんか?
身体に障害のある方でも、運転免許を取得することは充分可能です。
障害のある方の運転教習を行なって40年以上の歴史を持ち、卒業して免許を取得した障害者ドライバーの数が1万3千人を超える“障害者教習のパイオニア”である自動車教習所に取材をしてきました☆
障害のある方のための自動車教習所一覧
- 東園自動車教習所(〒352-0023 埼玉県新座市堀ノ内2-1-46)
- 東武かすみ自動車教習所(〒350-1103 埼玉県川越市霞ヶ関東2-5-1)
次の方は運転教習が可能です

次の方もご相談ください
- 自分の障害では運転免許が取れないと、あきらめている人。
- 適性審査に合格したが、教習を引き受けてくれる教習所がない人。
- カリエス、内部疾患の人。
- 難聴者(手話による補習をします)。
- 手の握力、腕の力がない人(補助具があります)。
- 特殊な障害のある方は、運転装具を特製して教習することも出来ます。
- 学科教習の勉強について行けない人(新聞が読める程度の国語の力は必要ですが、交通用語の特別指導をします)。
実際、どんなクルマで教習を受けるの?
障害をもつ人の程度に合わせて、教習車では様々な工夫がしてあります。
軽いハンドル
最近のクルマはハンドル操舵力をアシストする“パワーステアリング”が付加されているので昔に比べるとハンドルが軽くなっているそうですが、それでも重くて操作できない…という方も。
これは、ハンドルの油圧を調整して通常のパワステ以上に軽くした教習車。実際にハンドルを持たせていただきましたが、確かにスルスル回ります!通常のハンドルでは疲れてしまうという方も、これなら扱いやすいですね。
ハンドルに補助具
ハンドルに木製のレバーをつけた状態です。
この補助具によって、握力が弱かったり、片側しか手が使えない人でもハンドルを回しやすいようになっています。補助具には他にもいろいろな形状のものがあるので、自分に合った補助具を使用できます。
手動アクセル&ブレーキ
赤と黒のボタンのついたレバーが手動アクセルとブレーキの装置。これを手前に引いたり、向こう側に倒したりすることでアクセルとブレーキの操作ができます。
ボタンはホーンを鳴らしたり、ウィンカーを出すなどの操作が可能です。

これはまた別の教習車両。
運転席左側のレバーは、足元のペダルにストッパーをかけて、手動のみで操作できるようにするものです。
レバーの操作だけですぐにペダルの使用もできるようになるので、手動のみで運転する人・手と足を使って運転する人、どちらも利用できる教習車です。
延長ペダル
身長が低いなどの理由で足がペダルに届きにくい方の場合、これを使います。
既存のペダルに小さな穴を開けておき、この延長ペダルをつけてボルトで固定。単純な構造なので、すぐにつけ外しができます。
ちょっとした工夫
キーにも注目!
ホームセンター等で売っている金具をつけ、ボルトで固定してあります。“キーを指先でつまみ、手首をひねってエンジンをかける”という動作がしにくい方も、これなら金具に指1本をひっかけてクルッと回すことでエンジン始動が可能。
取材協力先:東園自動車教習所
実際の訓練生に聞いてみました!
東園自動車教習所では、入ってすぐに食堂があり、障害者教習の訓練生として通学で通っているという3人の女性にお話を伺うことができました。
入所してどのくらいですか?今、教習はどのあたり? 入所して1ヶ月です。今日、修了検定が終わりました |
訓練生ということは3ヶ月の期間受ける必要がありますが、毎日のスケジュールはどうなっているんですか? その日によって違いますね。多かったり少なかったり…自分に必要な授業を受けていく感じです |
通常の教習生とその点は同じですね。なお、訓練生の教習時限は学科で64時限、実車で70〜80時限と、通常の規定時限数より多く設定されています。
教習で難しいと感じたことは? スピードに慣れるまでが大変! 実際のスピードよりずっと速いような気がする学科はわかりやすく教えてくれるけど、1時限ではおさまらない内容の授業のときは先生が早口になって、詰め込んだ〜って感じ |
何か大変だったり、困ったことや、何か希望があったら教えてください。 障害のある方という意味でいえば、体がだるくなったり疲れやすいことが多いので、おしゃべりしながら休憩できるスペースがほしい。喫煙と禁煙を分けて! |
など、切実な声も聞くことができました。
突然のインタビューにも笑いながら楽しそうに答えてくださって、ありがとうございました!
寮はどんな感じ?
事務所と隣接している寮(※東園自動車教習所)におじゃましてみました。
築20数年ということで最新設備が整っているというわけではありませんが、車椅子対応のトイレ、手すりとスロープのあるお風呂、洗濯機などきちんと必要なものは揃っているという感じです。中の廊下も広く、車椅子でもラクラク通れる幅がありました。
廊下では現在教習を受けている訓練生の方が行き来していて、若い方から年配の方までさまざま。男女率も半々というところでしょうか?洗濯機のある共有スペースでは、にぎやかにおしゃべりしている様子が伺えました。
宿泊している部屋を見せていただきました。
一部屋にベッドがいくつか備え付けてあり、他にもタンス、戸棚などが置いてあって4〜5名はゆうに泊まれる広さ。男女別で、部屋は全部で4部屋ありました。ここに全国から免許取得のために多くの人が集まってくるんですね!兵庫県、栃木県から来ているという方も実際にいました。
寮に滞在している間は、教習に支障のない限り外泊も自由とのこと。
家族や友人も宿泊は無理ですが、自由に遊びに来られます。一般的な自動車教習所の寮は、入校生以外は立ち入り禁止・外泊禁止が原則なので、こういった自由がきくのはうれしいですね!
取材協力先:東園自動車教習所
指導員からのメッセージ
今回お話を伺ったのは、東園自動車教習所の業務課長・渡辺さんです。実際に障害者教習の指導を行なってきて、年間100人以上の障害者ドライバーを輩出していますが、どうお感じになっていますか?
「障害があっても運転免許を取って、自由に行き来してほしいですね。
この教習所の卒業生には、パラリンピックで金メダルをとった選手もいます。障害のある人が最初からメダルを目指すことはなくても、ここで免許を取得したという経験は、健常者が免許取得したということの何倍も重みがあるわけです。
その自信を持てば、免許取得をひとつのステップとして就職したり、スポーツをしたり、パラリンピックを目指したりという、次の活動につなげていくことができるんです。
障害者雇用という点では自宅で仕事をする道もありますが、どんどん外へ出て社会と関わってほしい。そのためには運転免許が大きな助けになります。現在の健常者向けの社会が、障害のある方がどんどん街に出ることによって、バリアフリーが進む社会になるのではないかと考えています」
渡辺さんは、障害者教習にノウハウはないと言います。
人によってさまざまな障害を、ひとりひとりカバーしていく目線で教習を続けてこられた指導員の経験の中にしか、伝えられるものはないのかもしれませんね。
自分の障害では免許が取れないとあきらめている人、適性検査に合格したものの教習を引き受けてくれる教習所が見つからなかった人、内部疾患や難聴の人…。
「免許を取りたい」「もっと自由に行動範囲を広げたい」と思っている方は、ぜひ東園自動車教習所にアクセスしてみてください。
ステップのひとつとして、運転免許の取得を考えてみてくださいね!
取材協力してくれた東園(あずまえん)自動車教習所ってどんなところ?
東園自動車教習所(埼玉県新座市)
東園自動車教習所
〒352-0023 埼玉県新座市堀ノ内2-1-46
埼玉県新座市の緑豊かな環境中にある、見たところ小ぢんまりとした教習所です。ですがここは、障害者教習においてはかなり実績のある学校。
この教習所設立までの道のりは、昭和37年に始まります。
プロのドライバーであった創立者の故・藤森善一氏が、ご自身も事故によって障害を持つ身となり、
非常な努力をして運転免許を再取得したことがきっかけとなっています。当時は「障害のある人が自動車の運転なんてとんでもない」という時代。周囲の理解や賛同を今日ほど得られない中、相当な苦心を重ねて訓練をしたであろう事が想像できます。
藤森氏は自分が免許を取得した経験を活かして、他の障害をもつ人たちにも運転教習を始め、長野・東京・埼玉と教習の場所を変えながらも「日本で髄一の身障者運転教習所」として一貫した歩みを続けてこられました。
現在、厚生労働大臣の認定教育施設である身体障害者能力開発訓練センターを併設している教習所は全国でここだけ。昭和61年からは健常者の教習受け入れも開始し、地域の自動車教習所として安全センターの役割も担っています。
「身障者でも運転できる。運転できれば生活の道も広がる」
創始者の藤森氏の言葉です。障害をもつ人の自立を促し、自信を持って社会とつながることを目指した藤森氏の理念は今もしっかり息づいています。身障者専用寮完備なので、近辺だけでなく全国からの訓練生・教習生の受け入れを積極的に行なっていますよ!
障害者教習の2つのコース
東園自動車教習所では、厚生労働省から委託を受けた「運転能力開発訓練コース」を置き、一定の条件を満たした人は「訓練生」として無料で教習を受けることができます。
障害のある方が「訓練生」ではなく一般の「教習生」として入所することも可能ですが、教習料金がかかります。ただし、前もって自治体などに申請しておけば、後から補助金をもらえることも多いようです。※補助金については各自治体によって異なります。お住まいの自治体の情報をチェック!

運転能力開発訓練コース・訓練生として教習を受ける場合
就職を目的として運転免許を取得したいと考えている障害のある方を、国と東厚生会(東園自動車教習所の母体である財団法人)からの助成を受けて訓練するコースです。
入所の受付は1月・4月・7月・10月の月初めと定められています。
【訓練生としての入所までの流れ】
公共職業安定所(ハローワーク)に求職登録
このコースはいわゆる職業訓練校のひとつ。雇用促進法により、ハローワークで求職中であるということが前提になります。
運転免許試験場(免許センター)で適性検査
障害の程度や、運転は可能か、可能であればどういった条件のクルマで運転することができるかということをまずチェックしていただきます。※住んでいる地域の運転免許試験場(免許センター)で適性検査が受けられます。
「身体障害者運転能力開発訓練センター」へ入所
適性検査で運転が可能と認められた場合、入所手続きとなります。
ケース会議
適性検査で運転が可能と認められた場合でも、訓練センターで、運転が可能かどうかの受入可否を判断させていただきます。
教習訓練開始!
卒業までは3ヶ月間かけて教習を受ける必要があり、所定の教習費は無料となります(※教習の進み具合によって3ヶ月以上かかってしまう場合は、4ヶ月目以降から個人負担で教習を続けられます)。自己負担は、検定料など約35,000円です。
教習生として教習を受ける場合
特に訓練コースなどに入所せず、自費で運転免許を取得する場合はこちらです。卒業までの期間などは決まっていないので、自分の教習の進み具合によって、早ければ1ヶ月以内で卒業することが可能です。入所の時期も特に制限はなく、いつでも可能です。
【教習生としての入所までの流れ】
運転免許試験場(免許センター)で適性検査
障害の程度や、運転は可能か、可能であればどういった条件のクルマで運転することができるかということをまずチェックしていただきます。
「東園自動車教習所」へ入所
※教習生による申込みの場合、当社ホームページで紹介している東園自動車教習所のトップページに移動します。教習プランの詳細情報が記載されておりますので、そこから、お問合せください。
ケース会議
適性検査で運転が可能と認められた場合でも、東園自動車教習所で、運転が可能かどうかの受入可否を判断させていただきます。
教習開始!
自費とはいっても、入所前に自治体に「運転免許を取得する」と申請していれば、後から補助金が受け取れることが多いようです。補助金の詳細は、各自治体へお問い合わせくださいね!
東園自動車教習所/身体障害者運転能力開発訓練センター 交通アクセス

- 個人自宅無料送迎
- 新座市内および近隣
- 東園自動車教習所の無料送迎バス
- 東久留米駅(西武池袋線)東口、志木駅(東武東上線)南口、新座駅(JR武蔵野線)北口
- 西武バス
- ひばりが丘駅(西武池袋線)北口、志木駅(東武東上線)南口、新座駅(JR武蔵野線)南口から、
いずれも福祉センター入口下車、徒歩2分
東武かすみ自動車教習所ってどんなところ?
東武かすみ自動車教習所(埼玉県川越市)
東武かすみ自動車教習所
〒350-1103 埼玉県川越市霞ヶ関東2-5-1
「自分の障がいでは運転免許が取れない」とあきらめている方。難聴などにより手話による教習をご希望の方 など
東武かすみ自動車教習所では身体に障がいのある方の教習や手話による教習も実施しています。障がいの程度により免許が取得できますのでご相談ください。※運転適性相談結果などによりご希望に添えない場合もあります。
教習を受けるには
運転免許試験場(免許センター)で適性検査
障がいの程度及び運転可・不可の確認をし、可能であればどのような条件の車両で運転することができるかを確認します。その後、結果を記録した運転適性相談票(地域により名称が違います)が交付されます。
「東武かすみ自動車教習所」へ入所
適性相談室で交付された運転適性相談票及び入所申込必要書類一式を持参の上、受付時間内にお願いします。なお、運転適性相談結果が「可」と認められた場合でも東武かすみ自動車教習所で受入可否を判断させていただきますのでご了承ください。
※当社ホームページで紹介している東武かすみ自動車教習所のトップページに移動します。
教習プランの詳細情報が記載されておりますので、そこから、お問合せください。
【手動アクセル&ブレーキ装置、遮蔽板、ハンドル旋回グリップ装着車両(左写真)】
(1)操作レバー(赤いボタンがついている)を前に押すとブレーキ、手前に引くとアクセルの操作ができます。この他、操作レバーにはウインカー、ブレーキロック、クラクションのスイッチが付いています。
(2)足元には通常の教習車両同様にアクセル・ブレーキペダルがあるため、誤って足元のペダルを踏まないように遮蔽板を取り付けてあります。
(3)ハンドルには旋回グリップが取り付けてあります。ハンドルは右手で、操作レバーは左手で操作します。
【左足アクセル&左足ブレーキ装置装着車両(右写真)】
(4)左足でアクセル及びブレーキが操作できる車両です。写真には写っていませんが、ハンドル旋回グリップ、左ウインカーレバーを組み合わせることで、左半身での運転が可能になります。
東武かすみ自動車教習所 交通アクセス

埼玉県川越市にある東武東上線の霞ヶ関駅南口から徒歩2分、通勤・通学途中に通えてとても便利な自動車教習所です。また、障害のある方の教習にも積極的に取り組み、手動運転装置車両による教習や手話による教習も実施しています。


入所して1ヶ月です。今日、修了検定が終わりました